こはろぐ(仮)

いい加減新しい名前にしよう

雑記 聖地巡礼レポ(外伝)

はじめに

 

 この項目は以前に発行した「N市の地質構造について―「たまにはこんなことも」の地質学的検討―」を聖地巡礼の結果を踏まえて、再考察したおまけです。
 (あくまでこじつけに近いレベルなのでMMR感覚で読んでください。また原作を否定する意図はありません。)

  上越市の基本的な地質構造、および基本的な用語解説についてもそちらを参照してください。

 

 

 

「たまにはこんなことも」の発掘化石についての再解釈

 以前の考察では、上越市第三紀および第四紀の堆積物からなる地層が地表から50m以上続いていることから、アンモナイト(古生代~中生代)、恐竜(中生代)の化石は発見されないだろうと述べた。

 そのため「土器」「アンモナイト」「恐竜の牙の化石」「太腿かどこかの骨(体骨格のいずれか?)」の中の産出物のうちいずれも該当せず、いわゆるファンタジー地質(仮説2)であるとした。

 

 だが、今回FMMを訪れた際に糸魚川市からは第三紀の沖合堆積物からクジラの化石が産出しており(フォッサマグナを埋めたのもこう言った海底堆積物である)、上越市内でもそういった化石が産出する可能性は無きにしもあらず…と考えた。

 このように解釈すれば、犬吠埼珠及び桑田千尋は鯨類の巨大な骨を恐竜の牙や大腿骨と誤同定したと推定するつもりだった。

 

 だが、16人の日常【電子版あとがき】にて

アンモナイトや恐竜の化石も混ざっていた犬吠埼さんの「成果」ですが、実は他所で掘り出したものをこっそり混ぜています。千尋さんに少しでもやる気を出してもらおうとちょっとだけ盛りました。ゴッドハンドですね。」

 と衝撃の事実が提示された。(元ネタに順じて埋められたのは土器だけだったりしないだろうか…)

 

ja.wikipedia.org

 という訳でこの事実に準じて、上越市近辺にて中生代の化石が産出する場所はどこか…と考えるとやはり候補に挙がるのは糸魚川市である。

 糸魚川市には手取層群と来馬層群という二つの中生代の地層が存在している。

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糸魚川市内の地質図 FFMの展示パネルより≫


手取層群(上越市内ではないが)からはフクイサウルス、フクイラプトルを始めとした多種多様な恐竜が発見されており、来馬層群では肉食恐竜の足跡化石が発見されている。

 (来馬層群の足跡化石においては以前にも仮設3で取り上げたものと同じ。)

 

 これらの事から犬吠埼珠は、何らかの手段(電車or魔法少女能力?)を用いて糸魚川市に赴き、アンモナイト及び恐竜化石を発掘していたことになる。

 思い切るにしてもあまりに盛りすぎては

 ちなみに手取層群は川や湖といった場所で堆積した地層であり、福井県の場合洪水などで流された遺骸が化石になったといわれている。そのため米国やモンゴルのように全身が繋がって発見されることは少ない。

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 ≪福井県の手取層群から発見されたフクイベナトールの産状≫

 また来馬層群から産出するアンモナイトは和泉層群等と同じようにあまり保存状態がよくなく、北海道でよく産出するいわゆる奇麗な化石とは異なる。

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≪来馬層群産出のアンモナイト(上)と北海道産出のアンモナイト(下)≫

 

 こういった条件の中で一抱えほどあるアンモナイトや恐竜化石を持ち帰った挙句、「よくわかってない」雰囲気を醸し出しているので犬吠埼珠とんでもない子だな…

 

 聖地探索結果

 FMMの見学を終えたのちに、再び上越市に戻り断層の位置を頼りに「数珠山」探したのだが、残念ながら発見することはかなわなかった。

 というのも

 ・一帯の山がそもそも低い(春日山城でも165mほど)ので、「数珠山」の高さ推定が難

  しい

 ・周辺を散策したが露頭が出ていそうな斜面が全く見られない。

 ・周辺地域があまりにも歴史的名所として整備、分散しているため介入する余地がない(「何も無い」山が少ない)

 ・そしてそういった情景があるのであれば描写に込めるのではないか(位置が間違っている可能性)

 といった条件があり(圧倒的に時間が足りないことは事実だが)、特定には至らなかった。

 次回聖地巡礼を行う際には、これらの事を十分に意識に意識した上で調査を行いたい。また現地住民の方で心辺りのある方は是非連絡していただければ思う。

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 ≪春日山付近で発見した案内図 ≫

 

 おわりに

 今回の聖地巡礼ではあまりめぼしい成果を見つけることが出来なかった。そもそも「数珠山」という存在自体が架空の可能性は十分に高い。(というかそっちの方が高いだろう)

「数珠山」という名前も桑田千尋(尋=『数』(長さ)の単位)と犬吠崎『珠』から取ったという考え方も出来るので、それを踏まえるとますます架空の可能性が…

 だが実際に現地を散策してみることでモデルになった土地の雰囲気を感じ取ることが出来、とてもいい経験になった。

 このまとめが少しでもたまちひの二次創作の参考になれば幸いです。

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